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加藤誠司倶楽部

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加藤誠司のお気に入りアイテム

ルアー研究に合わせた特注品。
[2011-02-28]

【水槽】回流水槽

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ジャッカルの巨大水槽ばかりが目立って登場する機会は少ないですが、この回流水槽は、私のロジック魂を満たしてくれる頼もしいアイテムです。私はルアーを作っていく過程でいろいろなテストをするのですが、そのほとんどが「感覚」に頼るところが大きいのです。もちろん感覚はとても大切で、長年の釣り人生を経て体に染みついたものですから迷いはないですが、回流水槽を使ってあらゆる点を検証していくことで、各ルアーに対する思考の妥当性がきちっとすると気持ちが良いのです。

プロトルアーを作ったら、巨大水槽やフィールドへ出てテストします。プロトを泳がせながら「ちょっとアクションが大きすぎるかな?引き抵抗はもう少し小さい方がいいなぁ・・・。もうちょっと潜らせよう。」など、竿から伝わってくる感覚を感じながらあれこれ考え、そこを改良した次のプロトを作り再びテストします。この作業をある程度の方向性が見えるまで繰り返し、かなりのレベルまで達したプロトを、こんどは回流水槽で性能の比較をしていきます。
ルアーはアイのポジションやウエイトバランスによって、アクションや潜航深度、引き抵抗など様々な要素が変わるので、いくつかのパターンを作り比べていきます。機械で測定すると、たとえば一秒間にルアーはどのくらい振幅するのかなどが数字で表わされ、また、水流の強度を変化させることで、実際のリトリーブスピートとの関係も調べることもできるし、さら潜航角度も一目瞭然。ルアーのいろんな使い方を想定し「こうやったら・・・こうなるのかぁ」と、必ず確認の為にもこの水槽はなくてはならないものなのです。もちろんプロトのチェックだけでなく、他社ルアーとの違いを検証するのにも使っています。
こうしてさまざまな角度からチェックをしていくと、自分の中のモヤモヤした部分がクリアーになっていくのです。

ところで、回流水槽はもともとはもっと大きく、船などの形状を研究するための測定用であって、当たり前ですがルアーのテストをする為のものではありませんでした。12~13年くらい前に小型タイプができ、水泳のフォームの研究や水着の開発に使われるようになったということがテレビで紹介されていて、それをたまたま見ていた私が製造元に問い合わせをしたのがきっかけで手に入れました。当時、国内のルアーメーカーで回流水槽を導入しているところはなく、雑誌などの比較テスト企画というと、よくこの回流水槽が登場していました。じつは使用頻度は多いのです。

ポイント1

ルアーの動きを、前後左右から目視することができます。特に定点で見ることができるので、ビデオ撮影して動画で分析するのにも適している。(画像:左)

ポイント2

流速が一定のため、ルアーのアクションの比較がしやすい。特に、どれだけゆっくりまでアクションするのかなどは、ロッドとリールを使ったテストではまず正確にはわからないが、回流水槽を使えば、2つを並べて比べられるので一目瞭然。(画像:中)

ポイント3

人の感覚が介入せず、数値化によって比較ができる。たとえば流速1m/secで水を流し、その中に10ccのルアーを入れてアクションさせ、そのとき引き抵抗が何グラムあるかなどを測定すると、引き心地が重いとか軽いとか感覚で言っていたことが数値で比較できる。 (画像:右)

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